ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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2018.08.01 Wednesday | - | - | -

天然記念物の非破壊樹木診断

 過日、とある場所で数種の天然記念物の樹木診断を実施しました。いつもの如く、「PICUS Sonic Tomograph(ピカス:樹木断層画像診断装置)」という測定機器を利用し、樹木の内部画像を非破壊で確認する診断手法です。近畿圏では当社のみが保有しているため、お仕事を頂戴したわけです。

参考:「最新非破壊樹木診断

 公園の樹木や街路樹と違い、天然記念物に指定される程の樹木は、少し表現がおかしいかもしれませんが、あまり都市部には存在しません(もちろん都市部にも天然記念物は多数、存在していますが)。

いざ準備開始
 人があまり出入りしない場所や自然環境が整った場所ほど、天然記念物に指定されるクラスまで樹木は成長するとも言えます。今回、調査した天然記念物もまさしく人の出入りがほとんど無い場所で、調査場所にたどり着くまでも大変、そしてかなりの急斜面のため、測定機器を設置するための準備などかなりの苦労があり、これらだけで半日を要しました。
 今日、今回の天然記念物の調査報告書の私が書く部分が先ほど終了したため、簡単にご報告することとします。と書きながらも社員から私が書いた内容について質問が来ましたが、もうあとは彼らに任せることにします。

センサー設置
 下の画像は高さ3m程度の場所で測定センサーを二人で設置している風景です。今回もかなりの重労働でした。



(以後、一切の画像は「サン・アクト株式会社」に帰属します。)


 さて、このように測定センサーを設置後、測定機器とパソコンを接続し、その後、測定開始です。下の画像のような感じで測定します。12個のセンサーをそれぞれ3〜4回程度、ハンマーで軽くたたくわけです。簡単に説明すると一つのセンサーのハンマーの打音を残りの11個のセンサーが音を拾います。この動作を12個のセンサーすべてで行います。樹木内部は腐朽や空洞など部位によって様々な形状をしているため、各センサーの音の受け方が違うこととなり、この違いを計算し画像化するわけです。
(かなり簡単に説明しており、本来のシステムは多少、違います。)



 このようにハンマーでセンサーをたたく人間、その結果(音速のようなもの)をパソコン画面上で見る人間は、12個のセンサーをたたき終わるまで、集中かつほとんど身動きできません。今回は季節柄、大丈夫でしたが、過去に書いたように、蚊が多くいる場所などは、身体中、蚊にかまれ、本当につらい状況になります。ちなみに下の画像は、測定中、必死になってパソコン画面を見つめている私です。



測定結果
 今回の調査の目的は下の画像のように外観からも空洞化している状態が、どこまで進行しているかを確認するものです。見えない部分にも空洞が進行している場合、それなりの対処を考えなければなりません。しかし、今までは、ハンマーで叩き、その感触や音で確認する、あるいは内部状況がグラフ化される測定機器での確認等の手段しかありませんでした。しかし、我々が保有する「PICUS Sonic Tomograph(ピカス:樹木断層画像診断装置)」では、今までに何度も書いてきましたが、瞬時に幹断面すべてが画像化されるという優位性を持っています。



 少し画像ではわかりにくいかもしれませんが、空洞が露出している部位から20cm程、上の部分を診断対象としてセンサーを設置しました。さて、結果です。



 画像の水色部分が空洞が進行していると思われる部分です。換言すれば空洞が進行している可能性が高い、そして画像処理によって、空洞部位も特定されたと言えます。
(詳細の所見については省略します。)

最後に
 天然記念物に指定されているため、行政の担当者の方も確認に来られます。逆に天然記念物を無断で診断や処置を施すこともできません。今回は、「画像診断」という今までに無いものであったため、関係部署のかなりの方が見学に来られました。ありがたいことです。しかし、診断中に話しかけられることも多く、とはいっても、「診断後に話をするからちょっと待ってください」と言うわけにもいかず、これまたなかなかの苦労がありました。
 今回の調査は、予算が余ったため、急遽、依頼が来たというのが事実です。ただ、このように新しい取組みに余った予算を使おうと決定していただいた行政の担当者の方に再度、この場を借りて御礼申し上げます。
2006.03.29 Wednesday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(2) | trackbacks(0)

私の名刺、そしてPICUS

 私は通常、朝6時半頃に起床し、ベッドのすぐ横にあるパソコンのスイッチを入れ、メール確認することが日課となっています。今朝もメールを確認したのですが、この私のサイトに英文でのコメントが、かなり過去のエントリに書き込まれていました。一瞬、とうとうスパムコメントまでもが来てしまったのかと思いましたが、よく読めば、宣伝ではありますが私にとっては貴重な情報でした。
 少々、見づらいですが下の画像は私の名刺の表側の一部です。この名刺の右上にある普段、ほとんど見かけない画像、これは何度か私のサイトでも紹介してきた「PICUS Sonic Tomograph(ピカス:樹木断層画像診断装置)」という測定機器を利用し、樹木の内部画像を非破壊で確認した画像の一つです。



 さて、上述した過去のエントリのコメントは「こちら」で、ドイツの方による「新ソフトができた」というお知らせコメントです。再度、来訪されるとは思っていませんが、感謝の気持ちとして私も英文でコメントを書きました。
 このPICUSという測定機器は、日本では三台のみが導入されています。そして導入までには様々ないきさつがありました。今回は少しだけ、このいきさつについてご紹介します。

参考:「最新非破壊樹木診断

 少し専門的になりますが、樹木の内部を把握するためには、「こちら」のようなマイクロプローブと呼ばれる機器、「こちら」のようなレジストグラフと呼ばれる機器が今でもあります。ただ、いずれの機器も幹内部などに小さなドリルが高速回転しながら侵入し、その抵抗をグラフ化するなどの方法で、内部の状態を把握します。
(的確な説明ではありませんが、専門的になり過ぎるためご容赦下さい。)
 しかし、PICUSは、幹内部に穴を侵入させること無く、かつ下の画像のように幹内部が色分けされて瞬時に把握できるというものです。


(画像はサン・アクト株式会社に帰属します。)

 ふとしたきっかけから、このPICUSを取り扱っておられる代理店の方とお会いし、保有されているデモ機で様々な樹木を対象として半年以上もかけて、画像診断やマーケット調査を行いました。そして、我々の事業に不可欠な測定機器と判断し、その後、様々な方々に会うたびに「PICUSという測定機器が欲しい、協力してください」と言い続けていました。
 この私のサイトでも間接的ではありますが、「PICUSが欲しい」と叫び続けてもいました。そして、詳細は書けませんが、協力していただく方に偶然にも出会うことができました。今も協力いただいた方とは、もちろん様々な形でやりとりを続けさせていただいており、社員一同、本当に感謝しています。
 ただ、実際にPICUSを購入する際に、一人だけ了承を得なければならない方がおられました。京都の誰もが知っている有名大学の名誉教授で我々の事業に対し、手弁当に近い形でお世話になっている方です。もちろん農学の専門家でおられるわけですが、PICUSのような様々な高額の機器を導入し、研究室やフィールドで使いこなされている経験から、「機器はいつかは、壊れる。壊れた時にすぐに自分の力で復活させることができる機器を導入すべき」と私にいつも言われていました。換言すれば、今、もしPICUSが壊れた場合、我々の力では復活させることはできない、ということです。
 しかし、私はPICUSが我々の会社に必要と判断しました。そして、名誉教授と数度にわたり話をさせていただき、「そこまで言うなら、購入しなさい。でも、壊れても私は復活させられないよ」と笑顔で了承をいただきました。
 今、様々な方々の協力、支援を受けて、PICUSは活躍しています。本当に様々な場所で、様々な樹木の内部画像診断を行ってきました。そして使用後は、常に私のデスクの横に置いています。
 もちろん、PICUSが活躍するマーケットは巨大なものではありません。しかし、我々にとって、あるいは必要とされるお客様にとっては、PICUSは他に替えることのできない機器です。
 来月も、数キロにわたる街路の樹木を画像診断する予定です。車が進入できない場所のため、PICUSやその周辺機器を手で持ちながら、数キロを移動します。しかし、画像診断結果が予想通りであった場合、PICUSの重さも瞬時に忘れてしまうでしょう。
 再度になりますが、PICUSに関し、様々な形で支援・協力いただいた皆様、そして画像診断をご発注いただいたお客様に御礼申し上げます。
 さて、まったく話は変わりますが、せっかく私の名刺をご紹介しましたので、名刺の裏側の一部も。関西人だけなのかどうかはわかりませんが、名刺だけで十数分は会話すべきものと考えている私は、下のような裏側の名刺で様々な方々と出会い、我々がやっていること、やりたいことをお話し、お世話になり続けていきたいと思っています。

2006.01.05 Thursday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(0) | trackbacks(0)

樹木診断、樹木内部画像診断サービス、ひとまず成功



 「社長、今から出ます。」と会社から朝8時頃、私の携帯電話へ連絡が。 「了解、待ってます。」と自宅で待機中の私。十数分後に自宅で社員の車に乗って現場へ。
 昨日は朝の8時でしたが、早いときは7時頃に自宅から現場へ出発という日もありました。さて、9月27日付けのエントリである「雨よ絶対に降らないで下さい。」から、昨日でさらに一段落しました。

参考:「最新非破壊樹木診断

 数年前は、樹木の内部を調査する装置としては、下の写真のような装置がありました。

 高回転で樹木内部にワイヤーのようなものを貫通させ、圧力の違いによって、内部状況を測定するもので、下のようなグラフが出力され内部を解析するわけです。グラフは一部のみ表示していますが、折れ線グラフの高いところが圧力が高い=樹皮・内部等が堅い、グラフが低いところは圧力が低い=幹内部に空洞が生じている可能性があり得る、などの推定ができるわけです。しかし、この装置は幹内部測定が最大で約50cm、かつ一方向のみの結果、グラフ自体が読み取りにくい、そして最も重要なことですが、一目で樹木内部の状況がわかりにくいという難点がありました。(冒頭の写真が調査対象樹木で、外観上も健全ではないと言えますが)



(上記3点の画像はサン・アクト株式会社及びNPO法人グリーン・エンバイロンメントに帰属します。)

 (この画像は当社及び有限会社テラテック様に帰属します。)
 そこで開発されたものが、PICUS Sonic Tomograph(弾性波樹木断層画像診断装置)という装置で、現在、我々は、日本で最大級(日本では最も大きな幹周りの樹木を測定できるという意味)の機器を単独保有しています。ここ数週間、通常の衰退樹木回復事業と並行して、この診断装置を使い、各種樹木を測定してきました。
 この装置は簡単に説明すると、樹木の幹周囲にセンサーを取り付け、センサーが拾う音の速さの強弱をプログラム処理し、幹内部全体を画像化するものです(厳密な説明とはなっていませんことをご了承下さい)

(以下からの画像はサン・アクト株式会社に帰属します。)


 こちらが、実際の樹木断面です。


 こちらが装置を使い、画像処理したもので、茶色の部分が堅密な部分、緑色が腐りかけている(=柔らかくなっている部分)、赤色が腐っている部分(=かなり柔らかい)、水色が極めて柔らかい部分(=空洞化している可能性もあり得る)、といった結果を瞬時に出力してくれるものがPicus(ピカス)というこの装置なのです。
 ご紹介している写真では、わかりにくいかもしれませんが、かなりの精度で樹木内部の解析が可能となっています。実際は、まだ伐採されていない樹木を測定するため、外観診断(=どこを測定部位とするか)、画像結果(=外観診断結果や予想される画像を得られているか)など、総合的な診断・判断が必要となります。
 少し極端な例ですが、人間で言えば、実際は、肺に病気があるのに、腸にレントゲンを投射し、この患者さんは何の病気も無いと診察してしまい、結局、患者さんは誤診でつらい思いをされる、といった同様の状況がこの装置を利用する際にもあり得るわけです。
 よって、一本の樹木に対して、どこにセンサーを設置するか、画像診断を複数部位することで被害拡大状況を把握する必要があるかなど、装置をいかに有効活用するかというオペレータの能力も必要とされるわけです。
 さて、この樹木内部画像診断ですが、「貴重な樹木の診断」・「強風等で倒木の危険性があるかなどの把握」、さらには、重要な建築物横にある巨木が倒木し、文化財等が崩壊しないかなどといったものがクライアント様側のニーズとなります。



 今回はこの装置を利用し、診断を実施したわけですが、本当に様々な場所で測定しました。多くの方々がご存知の公園や寺院、さらには写真のような林の中など。



 この装置による測定は、センサーをハンマーで打ち、音波を発生させる人間と、その音波をパソコン上で解析し指示をする人間の2人が最低限、必要となります。ハンマーを打つ人間は、写真のような格好で待機し、パソコンの出力結果を見ている人間の指示通り、何回も各センサーをハンマーで打ちます。そしてパソコン担当者はプログラムの画面を凝視し、ハンマーの打音結果が正しいかどうかを見極めなければなりません。



 このような森の中でも、今回、測定を実施したわけですが、お蔭様でイノシシやサルは出没しませんでしたが「蚊の大群」が来襲しました。しかし、測定が始まると、ハンマーを打つ人間はハンマーを持つ手を動かすことはできず、かつパソコン画面を凝視する人間は顔を動かすことができません。よって、一人は手が、一人は顔が蚊にとって最高の場所・獲物となったようで、二人とも測定後は、凄い状態となっていました。
(顔が凄い状況になったのは私です。現場から帰宅し、着替えて会合に出かけようとした私も躊躇した程の状況でした。)
 さて、今までご紹介してきたように数週間、連続ではありませんが、診断業務を実施しました。「PICUS」は精密機器ですが、野外で使用するため、ある程度のアクシデントが発生しました。そのたびごとに、サポートいただいた輸入元の業者様にまず、感謝申し上げます。(コメントは可能であれば、ぐっとこらえて差し控えてくださいませ、業者様。)
 そして、詳細は書けませんが、この私の拙いブログがきっかけで、この装置を当社が保有することができました。この方にも心より御礼申し上げます。また、今まで私がある程度、中心となって、解析を進めてきましたが、今回の数十回以上の測定で、社員自身にもノウハウが蓄積されました。いずれにせよ、私一人では画像診断は実施できません。我が社員にも感謝です。
 そして、最後に、このような樹木内部画像診断をご発注いただいたクライアントの皆様方に厚く御礼申し上げます。

ご注意下さい:
 このエントリで掲載している画像はすべて今回の診断とは関係の無い以前の診断風景等の画像です。ご理解の程、よろしくお願い致します。
2005.10.19 Wednesday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(0) | trackbacks(0)

雨よ絶対に降らないで下さい。

 明日水曜日から金曜日までに絶対に第一弾の樹木画像診断を仕上げなければなりません。明日は7時30分に社員が私の自宅に来て、そのまま現場へ直行です。(第二弾も10月早々にあります)
 是非とも、ここ数日間のある程度の好天を今も外の雨音を聞きながら心より祈りつつ、エントリしています。

参考:「最新非破壊樹木診断

 何十本の樹木を画像診断し、数十年、いや百年近く生きた樹木内部を測定機器によって診断し、生き延びさせることができるのか、それとも周囲の建築物・通行人の方々などの安全性を優先し、「大きな枝を落とす・最悪の場合、伐採する」という指標を画像診断で示さなければなりません。近畿圏でこの測定機器を保有しているのは我々だけなのです。
 人間ならば、最新の医療機器と医学の発達、そしてインフォームド・コンセント等、生死については、完全とは言えませんがある程度は整備されているといえるでしょう。
 しかし樹木の世界は、まだまだ皆無と言ってよいほどの状態。極論すれば内部画像出力からの私の樹木の診断結果、そしてそれをクライアント様や関係者にプレゼンする我々社員の説明、そしてそれを受け止められるクライアント様。様々な方々が「樹木という人間と同じ生き物」についての生死をそれぞれのお立場で判断・把握されるということとなります。
 測定手法の間違い、測定結果の誤認、これらが原因で何の罪も無い樹木の生命を左右してしまう結果を生じさせることだけは避けなければなりません。
 重責であると同時に、できる限り多くの、特に一般の方々が、この曖昧とした内容ではありますが、「樹木の生死を決定する」という意味について、ご理解いただければと思っています。
 では、ここ数日、ブログ更新できるかどうか不明ですが、「重責を担い、完結させる」ことが最優先ですので、ご理解ください。
2005.09.27 Tuesday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(1) | trackbacks(0)

樹木診断、樹木内部画像診断サービス、好調です!!



 今週木曜日に、突如として国営放送様から電話があり、TVに出ることになりました。写真は、撮影風景です。(今回は地元ローカルニュースですので、近畿圏の方だけしか見ることができません。そしてもう昨晩、放送されてしまいました。ちなみにパソコンに向かっている後姿の人間が私かもしれません)

参考:「最新非破壊樹木診断

 実は、2月に地元の京都のある新聞に我々の新規事業がある程度、大きく掲載され、それを見た国営放送様が、ニュースで取り上げたいということでした。皆様ご承知の番組、「おはよう日本」でも、昨年のサクラの季節に我々の事業が全国放映されました。新聞取材や雑誌取材は多々受けており、TVもこれで4回目になります。
 今、既に多くの雑誌がサクラの名所特集を組まれています。掲載されているサクラの中で天然記念物などの貴重なサクラがあればその中のどれかは我々が手がけたサクラかもしれません。
 一年に一度しか脚光を浴びないサクラですが、実は一年間かけて、様々な管理をした結果、満開の花を咲かせるのがサクラです。「樹木の回復」という事業を主体としている我々ですが、やはり仕事の4割程度は「サクラの回復」になります。是非とも、一年にわずか1〜2週間しかないサクラの花見シーズンに見事な姿を皆様にお見せしたく、残りのほぼ一年間をサクラの手入れに費やしている我々の事業にご理解をいただければと思います。

 さて、タイトルの「樹木内部画像診断サービス」とは、少し見づらいかもしれませんが、写真のように樹木の幹にセンサーを付けて、パソコンと連動させて音波のようなもので、幹の内部を画像化するものです。今までこのような装置が無く、やっとドイツで開発され我々も購入しました。
 例えば、人間も精密検査を受けて、突如として病気が発覚することがあります。樹木も健全そうに見えて、実は内部が腐っているなんてこともあるのです。そして一夜にして倒木してしまうこともあります。
 国宝級の文化財のお寺の本堂などの周辺には、やはり巨木がある場合が多いわけです。ご神木のようなものもあります。台風で巨木が倒れ、本堂の屋根を倒壊したといったニュースをたまに見かけた方もおられるとは思いますが、このような事例の場合でも、内部画像による診断を定期的に実施することで、倒木は未然に防ぐことができたかもしれません。

 是非とも、皆様、周辺に「気になる樹木」があれば、お申し付け下さい。

 元気一杯の緑が増え、見事に咲いた花々が日本中に増えることは、最後には我々、人間の心も豊かに、元気になると信じ、日々、ベンチャー企業社長は挑戦しております。
(ちなみに苦闘しているほうが大半を占めますが。。。)
 さて、急遽決まった撮影なのですが、できる限り露出しようと我々の商品を撮影現場周辺に置いたり、商品を持って撮影現場を歩き回るように指示した私ですが、さすが国営放送様、見事にカメラアングルからスルーされていました。

ちなみに、番組の流れとしては、

 1)過去の台風などで倒れた樹木の資料映像
 2)行政の方々の我々の技術に関するコメント
 3)お客様=エンドユーザーの声
 4)我々が実際に画像診断をしている様子
 5)コメンテーターの総括

 といった流れだったのですが、行政の方も正式名称でテロップ、お客様も、もちろん正式名称でテロップと紹介、しかし、私の紹介は、「京都のベンチャー企業小島愛一郎氏」というテロップでお終いでした。
 色々と撮影現場を練り歩いた社員の努力も空しく、そして当社の社名も紹介されず。。。(当たり前の話ではありますが)
 いや実は、一番嬉しかったことがあります。撮影直後に放映時間が判明したので、TV放映が始まった際、家族を持っている社員は、家族の皆様に、「もしかしたら自分がTVに映るかも」ということで自宅へ電話していました。今まで新聞・TVとも私単独が多かったのですが、今回は現場の社員も放映されました。
 そして、「見たよ」という声を今頃、社員一人一人の家庭で共有しているかもしれません。嬉しい限りです。そして私も自分の家族に明朝にでも聞いてみます。「お父さんが映っているTV見たか?」と。きっと「見たよ!」と5人の子供達と私の妻は言ってくれると確信しています。

 さて、数時間後に控える朝に備えて、そろそろ今夜は終わりとします。
2005.03.05 Saturday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(3) | trackbacks(0)

戦う社員



 7日の報道でご承知の方も多いかとは思いますが、「国連評価報告書案」が明らかになりました。四年間の年月を費やし、世界各国の科学者がまとめた報告書の案です。
 要約しますと、
過去100年間に約100種類の生物が絶滅し、その絶滅速度は、自然に生じる速度の1000倍に該当する、さらに、今の状況が続けば、50年後には、人類の生活そのものが危ぶまれる状態になる

と、報告書案では警告しています。
 昨今の「人類の活動」自体が、生態系を破壊し、最後には、「人類そのものの生活が可能で無くなる」という、何とも皮肉な報告書案となっています。

 さて、今回、ご紹介する写真は、かなり以前に、この私のサイトでもご紹介した、樹木内部画像診断測定機を当社社員が、サクラに設置している風景です。この測定機器を利用すれば、瞬時に樹木の内部画像を見ることが可能になる、日本では最大級の診断機器で、簡単に言えば、人間の健康診断の樹木バージョンのようなものです。
(本当は実際の樹木内部画像をお見せしたいのですが守秘義務がありますのでご容赦下さい。)
 いつも私が叫んでいますように、樹木は言葉を発しません。しかし、人間と同様に樹木も病気になります。ただ、樹木の場合、誰もが病気になっていると外観から判断できる状況では、手遅れ、既に遅いという事例が、多数あります。
 そこで、ご紹介した測定機器を活用し、定期的な人間のような健康診断を樹木にも適用しているわけです。残念ながら、当社は、大きな生態系の枠組みの中で、「樹木のみを救う」ことで精一杯です。
ただ、上述したように、
今、この瞬間にも絶滅している生物が存在する、その可能性が極めて高く、かつ、絶滅する、絶滅させてしまっている要因は、人間にある

ということを心に常に命じながら、当社の社員は、この寒い中、戦い続けています。
 「樹木だけを救う」という微力ではありますが、このような会社が日本にあっても良いと思い、できる限りの努力をこれからも続けていきます。ということで、今日は少し短めの文章ですが、私の気持ちは、きっと皆様に届いたと確信しています。
2005.02.09 Wednesday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(2) | trackbacks(0)

PICUS



 下記の過去のエントリーで、少しご紹介してきた「樹木の内部画像診断」。写真は、この測定機器です。(この写真の権利は、当社及び有限会社テラテック様に帰属します。)

参考:「最新非破壊樹木診断
ベンチャー企業社員の奮闘
ベンチャー企業社長の挑戦

 この測定機器、正式名称は、PICUS Sonic Tomograph(弾性波樹木断層画像診断装置)と言います。現在、日本に2つこの装置が輸入されているのですが、「我々の保有機器が日本で最大級」となります。
 既に我々の事業の一つとして展開しているのですが、競合他社の動きも見据えた上で、今回、このブログ上でも正式にご紹介したいと思います。クライアントとの契約関係があり、かつ私のサイトは基本的に自社の宣伝が目的ではありませんので、今後、頻繁にこの事業について、ご紹介することはありませんが、社会的に必要とされているサービスとして、ご理解いただければと存じます。
 我々は、衰退した樹木を回復させる事業を根幹としています。換言すれば「樹木のお医者さん」のようなものです。この樹木を回復させるビジネスは、造園業者の方々など、同様の事業を行っている方も少なからずおられます。
 しかし、他社の方々と決定的に違うのは、樹木を回復させるために、「農薬や化学肥料」などを使用せず、「微生物や有機資材」など、環境に考慮した独自資材を利用しているという点で、日本唯一のサービスを展開しています。

 さて、上述したように簡単に言えば、我々は「樹木のお医者さん」なのですが、いわゆる「人間のためのお医者さん」と比較して、足りないものが今までありました。
 例えば、皆さんが、「体調が悪い」ということで、病院に行きます。恐らく下記のような流れとなります。

 1)医者の問診
 2)症状を正確に把握するため、レントゲン・MRI等で検査
 3)医者がこの検査結果を元に処方箋・病名を特定
 4)重病である場合、手術

 この流れは、我々の樹木回復事業もほぼ同様です。

 1)樹木を様々な角度から調査
 2)調査を元に、お客様に報告書を提出
 3)回復作業に着手

 となります。

 しかし、樹木の世界で、欠けていたもの、それは「症状を正確に把握するため、レントゲン・CTスキャン等で検査」という部分でした。なぜなら、樹木用の「レントゲン・CTスキャン」的な機器が存在しなかったからです。そして、やっと、PICUS Sonic Tomograph(弾性波樹木断層画像診断装置)という樹木のレントゲンに相当する機器がドイツで開発されました。この機器によって、樹木の内部を画像化し、正確な状態を把握できるようになったわけです。既に英国では、樹木の状態を把握するためには「PICUS Sonic Tomograph」を使用することが義務付けられている程の非常に優れた機器です。
 さて、今まで我々は、弱っている樹木を回復する事業を中心に展開してきたわけですが、樹木を回復するためには、それなりに適した季節があります。例えば、真夏に樹木回復をしようとしても、樹木にとって非常にストレスが高いこの時期には、あまり回復作業は実施できません。また、雨天の場合も、回復作業は実施できません。
 このような「弱み」が樹木回復事業にはありました。しかし、この機器を活用した「画像診断サービス」は、季節を問わず、かつ少々の雨の中でも測定機器が濡れないようにすれば、実施が可能です。
 そして、「画像診断サービス」だけで、お客様から発注をいただくことも可能となります。このように我々の根幹事業の「弱み」を補完する新しいサービス。是非、ご期待下さい。
(あまり詳細の戦略を書けないことをご了承下さい)
 もし、この私のエントリを見て、身近にある貴重な樹木の内部を知りたいとお考えの方は、ご連絡いただければ幸いに存じます。

 日本最大級の測定機器を活用し、「先駆者の利益」、「スピード」といったベンチャー企業ならではの動きでできる限り、世間に貢献していければと社員一同、努力してまいります。
2004.12.06 Monday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(0) | trackbacks(0)

ベンチャー企業社員の奮闘



 過去にお伝えした「ベンチャー企業社長の挑戦」。最新の樹木診断測定機器を活用した我々の新しいビジネスモデルです。では、実際に、どのように診断機器を使っているのか、ご紹介したいと思います。

参考:「最新非破壊樹木診断

 最初の画像は、我々の社員が、診断機器のセンサー部分に打撃を与えて、測定をしている風景です。少し説明しますと、樹木(この樹木はムクノキといいます)の幹の周囲に12個のセンサーを等間隔に設置し、すべてに打撃を与えることによって、樹木内部の様子をコンピュータが計算し、瞬時に画像化してくれる計測を実際に行っていることころなのです。
 よって、幹全体に設置してあるセンサー12個を一つずつ、打撃していかなければなりません。



 少しこの画像では、わかりにくいかもしれませんが、このムクノキ、樹高(樹木の高さ)が、約30m、幹周(樹木の幹の周囲の長さ)が、約4mという、かなり大きな木です。
 約4mの幹周のセンサーを一つずつ、打撃していかなければならないので、幹周りが長いと、少し大変な作業になってきます。



 といいますのも、この画像をみていただければ、ご理解いただけるかと思いますが、実は高さ約3m程度の高所に、センサーを配置しているからです。
 コンピュータ計測は、画像のように、地上でやっているのですが、センサー打撃は、約4mの幹周りすべてを実施しなければならないので、ハシゴの位置を変えては登り、そして打撃。またハシゴを変えては、打撃。なかなか大変です。まさに「ベンチャー企業社員の奮闘」です!!
 もちろんセンサー打撃の前に、センサーを設置したり、測定後、センサーを回収など、これまた、大奮闘です。
 実は、この対象となった樹木、根元部分と地上から約1m程度の高さの2箇所を既に測定していました。樹木の根元部分が腐っていることは外観からも判断できるのですが、その腐っている部分がどこまで到達しているかということで、約1mの高さまで、さらに計測したわけです。結果として1mの高さにも腐っている部分が到達していることが判明。
 そして、この樹木の枝分かれしている個所も、腐っている可能性があるとの推測で、今回、地上から高さ3mの部分も計測を敢行したわけです。

 さて、診断結果などは、少し専門的になりますので、説明は行いません。もちろん、高さ3m程度なんて、建設業や造園業に関わる方にとっては、日常的なことだと思います。当社の社員も3m以上の高さで、ハシゴに登って作業をいつもやってくれています。
 しかし、今回は特別です。なぜなら、
樹木診断測定機器、精密部品なので、取扱いをデリケートに実施しなければならないからです。日本で今のところ最大級(センサーが多い=巨樹・巨木など幹周りが大きいものも計測できる)。そして何といっても、高額製品なのです!!


 ベンチャー企業社員、奮闘まだまだ続きます!!

 ちなみにベンチャー企業社長である私は、コンピュータで処理される計算結果をパソコン画面で見て、計測が適切かどうか、これを判断する役割を担っています。こちらも実は、大変、重要なのです。ご理解いただきたいです。
2004.11.04 Thursday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(9) | trackbacks(0)

ベンチャー企業社長の挑戦



 さて、過去にもエントリーしたことがありますが、樹木の内部を瞬時にして画像で見ることが可能となる診断機器があります。このエントリーの画像、ある場所のサクラです。「左側がサクラの根元から60cmの幹の内部、そして右側が根元から130cmの幹の内部の画像」です。

参考:「最新非破壊樹木診断

 簡単に画像を説明しますと、「水色部分が空洞、赤色部分が空洞になりかけている、緑色部分が腐っている、そして茶色部分が、まだ健全である」と診断できます。
 根元から60cmの幹内部が、かなり空洞化しているのに対して、根元から130cmでは、水色部分が無い、いわゆる、サクラの根元から空洞化が進み、60cmの高さまでは、ほぼ空洞化、しかし130cmの高さまでには空洞化に、まだ至っていないということです。しかし、根元が空洞化し、それが60cmの高さではほぼ空洞化しているということは、強風などの影響で倒木する可能性が極めて高いと診断できます。



この画像は、診断風景です。

そして、日本で最大規模のこの診断機器を購入し、
当社は、この診断機器を購入し、様々な関係者のご尽力を頂戴し、新しいビジネスモデルを構築していきます。

 今回の「挑戦」には、皆様も良くご存知の有名大学、大手商社、金融機関といった多くの方々のご協力を頂戴します。
しかし、単純に「この樹木は空洞がありますから、伐採しないと危険ですよ」といったビジネスは展開しません。なぜなら、当社のビジネスは、衰退している樹木を保護することに命を懸けているからです。

 数十年から百年単位で大きく成長した樹木。多くの樹木の衰退原因は人的被害によるものです。枝が通行に邪魔であるという人間のエゴが発端で、枝を剪定する。しかし枝の切口を何の保護もせず病原菌が侵入し、枝が腐っていき、それが幹内部まで進行してしまう。
 あるいは、樹木の根元を草刈りするときに、根元を傷付けてしまい、そこから病原菌が侵入していまう。皆様自らが、ケガをされたとき、消毒やバンドエイドなどで、傷口を治されるでしょう。しかし樹木には、大半の場合、そのような観点から、「保護する」・「守る」という意識が無いのが現状です。
 また、例えばサクラの花見シーズン。皆様、サクラの根元周辺でシートを引いて宴会を良くされると思います。花見として観光資源となっている場所、そこには毎年、何万人もの人々が根元を踏み固めていくことと同じになります。
 これは、土壌が固くなり、養分を吸収する根が伸長しない=樹木が成長できない、といった原因を引き起こします。このように樹木の衰退原因の多くは、「人的被害」によるものなのです。
 我々は、このような「人的被害」を少しでも無くし、本来あるべき樹木の姿に戻すために、様々なビジネスモデルを構築し、この最新の「診断機器」でサービスを展開していきます。
2004.10.22 Friday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(4) | trackbacks(0)

樹木活力度基準の意義

 「NPO法人グリーン・エンバイロンメント」と「当社」は、目で見るのではなく、客観的に数値や指標・基準を使って、樹木の健全度、活力度を診断する手法を共同で研究しています。

参考:「最新非破壊樹木診断

 今まで、このNPOと当社で様々な研究をしてきた。デジタルマイクロプローブ・レジストグラフ・PICUS(弾性波樹木内部構造診断装置)といった非破壊検査や、樹木の生理特性、樹病など、あらゆる観点から、約200本のサクラを対象に実施してきた。これらの研究の第一回目の報告は、まもなくNPOのサイトや出版物として、皆様に見ていただく予定です。
 過去記事では「サクラの天然記念物調査第一弾」と「第二弾」があります。
 この天然記念物は、推定樹齢500年でした。しかしその過程で「商業樹林・造林として、周囲にスギが植林され、天然記念物のサクラに日が照らないことが、衰退の第一原因」です。スギ植林を批判するつもりはありませんが、サクラは「陽樹」=日光が非常に必要な樹木であることを知っていれば、植林が始まった頃以前に、天然記念物を考慮し、もう少し離れた間隔でスギは植えられたはず。しかしサクラよりお金になるスギが優先されたということも私も理解できることです。
 ただ、500年という寿命をどう考えるかである。極論ですが100歳まで生きたパンダが死にかけたら、国家的に延命策を取るのが現状ではないだろうか。

 さて、本題に戻りますが、樹木の活力度、人間でいうところの健康さは、実は見た目では判断できないことが大半です。換言すれば樹木が元気ではないと誰が見てもわかる段階では、もう回復の余地は少ないということと同一なのです。
 人間でも健康そうに見えて、健康診断・検査結果で重病になる手前に、助かったという方は多いわけです。しかし、樹木は声も出せないし、定期検診もなされてません。樹齢500年など、年数に関係無く、人々に愛されている地域の樹木はたくさんあります。しかし、ある日、突然、枯れてしまうなどの事例も多々あります。
 「大切な樹木」という定義は多くありますが、なぜ人間のように、定期的に健康診断をする仕組みを行政はつくらないのか。それは、どうすれば定期健康診断をすれば良いのかが分からない、確立されていないという理由から。現在、「NPO法人グリーン・エンバイロンメント」と「当社」、そして関係する専門家の方々で研究は少しずつではあるが、進捗している。京都大学を中心としたNPOの理事の方々を見ていただければ、素晴らしいメンバーだと私は思う。
 そのような理事の方々がほとんどボランティアで、この研究に学生の皆さんと共に協力いただいている。それは、私としては、上述したように、人間医学の世界では確立されている客観的・数値で提示できる樹木活力度判断基準、樹木活力度診断手法が無いから=無いままでは駄目で、必要であると危機感を抱いておられるからである。
 今までの私のサイトでも「サクラも危機的状況にある」、「その原因」は何かといったことを述べてきました。
 アカデミック分野の専門家の先生方が一年間、200本あまりのサクラについて樹木活力度の研究をしていただいている、あるいはしなければならないと思い、暑い日も寒い日も年間を通じて述べ数40回近く、フィールドを往復いただいています。
 このエントリを行政の方や、大手企業の方が見られることは無いかもしれません。ただ、危機感を感じ、実際に行動し、研究を続けている企業・団体がいるという事実を知っていただき、どんな形でも構わないので、協力いただきたいと考えています。
 そして、極めて近い将来、我々の研究の最終目標の一つである、定期的な樹木の健康診断が行政の仕組みに取り入れらることを確信し、これからも研究を進めていく予定です。
2004.07.07 Wednesday | 非破壊樹木診断:樹木幹内部画像 | comments(0) | trackbacks(0)
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