ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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ライブドアの一連の騒動について思うこと

weblogやネット上では、ライブドアの一連の疑惑について盛んに意見が飛び交い、様々な報道もなされており、「ライブドア・ショック」という言葉自体が今年の流行語大賞を取りそうな勢いです。昨年の堀江氏の様々な行動について、私はほとんどエントリを書いていません。あまり堀江氏自体に興味が無いという理由で、「経営者の顔、堀江社長を見て」というエントリのみ経営的な観点から書きました。

また、現在の動きについても、少なくとも「ライブドアそのもの」、そして「堀江氏と幹部の方々」については、もう少し推移を見て、小出しにせず大きな事実のみを淡々と報道するべきではないかと私は考えています。

ただ、疑惑が完全に解明され事実となり、法に違反していると明確になった場合、これらの点は許されないものであることは確かです。またこの一連の疑惑で、欠陥が露呈された各種法律・規制や証券取引所のシステムの問題なども、誰もが納得する方向で改善されればと思っています。

ただ、小さな会社ですが社長という立場から、少し違った角度で今回、エントリします。ただ、推測の部分が多く、的外れな内容があるかもしれないことをご容赦下さい。
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社員の方々の気持ち

私の会社で使用している「会計ソフト」を提供している企業も約1、2年程前と思いますが、ライブドアの傘下となりました。この事実を知ったとき、「なぜライブドアはこのような企業もグループに入れるのだろうか?」と一瞬、疑問に思いましたが、現実の問題として私の会社とまったく関係の無い話なので、深く考えもしませんでした。

M&Aの世界というものは(通常の手法を使った買収の場合)、特に買収される側は、多くはその企業トップや経営陣のみが買い手側と交渉するものだと私は理解しています。換言すれば契約締結後、買収されたことをその企業の社員は初めて知るということ(噂が飛び交うことももちろんありますが)です。買収する側も買収先に知られないように第三者による「デューデリ」などを慎重に行い、買収するかの判断を下すと理解しています。もちろん今では案件といった形で、専門企業が介在し、M&Aは以前よりかなりスピード化しています。そしてその最たる事例の一つと言っても過言でないものが、ライブドアのM&A手法なのでしょう。

私は専門家でもありませんので、私が問題視したいことはM&Aの流れではありません。

上述したように基本的には売り手・買い手双方の企業とも買収が終わるまでは、上層部のみが取り扱うということ。両社の社員はそれまで知らされないということになります。ライブドアに買収された企業社員は、買収されたという事実を知り、「自分の会社も、とうとうあのホリエモンのグループ企業になったか。これで安泰だ」と喜んだ方もおられれば、逆にがっかりされた方もおられたかもしれません。この点は、誰に聞いたわけでもなく、推測になりますので、明確な答えは私には提示できません。

IT関連企業は他の業界と比較し、社員の出入りが激しいと聞いています。ただライブドアのグループ企業はすべてIT企業とは言えない状態となっています。もう既にライブドア自体がIT企業でないとも言えるでしょう。よって、買収されるまでは、あるいは買収後も確固たる「業」を持ち、事業を続けていたグループ企業はあったはず。そして、そこには必ず「社員」が存在します。

グループ企業であると意識しながらも、以前からもそして今も、懸命に日々、業務をこなされている社員の方々がおられるはずです。このような方々にとって今の一連の疑惑をどう思われているのか。残念と思っておられるのか、来るべきものが来たと思っておられるのか、あるいは寝耳に水といった感を受けておられるのか。私には想像もつきません。

これからもライブドアに関する報道は加熱していく一方でしょう。そして早い段階で「事実が明確になる」時が来ると思います。ただ、疑惑が発覚した段階から、終焉を迎えるまで、地道に業務をこなしてきたライブドア本体やグループ企業の社員の方々はどんな思いを抱かれるのでしょうか。
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沈黙せざるを得ない被害者の存在

過去のJR脱線事故や幼い子供達が亡くなる事件では、かなり明確に被害者と加害者が存在していました。そして過剰な報道に対し自粛があったかと思います。

極論であり、異論反論があるかもしれませんが、
ライブドア本体やグループ企業社員の方々、
これらの方々の中には、
今回の一連の疑惑の渦中において、
悔しさや悲しさをぐっとこらえながらも業務をこなし、
何においても沈黙せざるを得ない被害者とも言えるべき方々が、
少なからずとも存在するのではないか、

と私は考えます。

もし、あり得ない話ではありますが、私の会社が、私が原因で、何らかの不正で同様の状況になった時、社員・社員の家族、取引先、そして株主の皆様、それぞれのステイクホルダーに不安を与え、ご迷惑をおかけしたと私は感じるでしょう。当たり前の話です。そして、この場合、私なら身が引き裂かれる思いを持つと共に、関係各位に一生、頭を下げ続けることと思います。私の家族に対しても。

そして、もし連日のように手のひらを返したように批判めいた報道をされた場合、いくら経営者トップがやった不正で、社員はまったく関係無いとしても、会社に属する社員、そしてその家族は沈黙せざるを得ません。ましてや反論など到底、無理です。私が加害者であり、社員は会社に属しているとしても間接的な被害者となるということです。もちろん社員も不正を知っていた場合は大きく異なります。社員も加害者になるわけです。

重複になりますが、今、様々な報道に背を向けながらも地道に仕事をこなされているライブドア本体やグループ企業の社員の方々はおられると思います。無理な話かもしれませんが、こういった方々の気持ちを少しでも理解する必要があるのではと私は考えます。

この考えは今回の一連の疑惑だけではありません。どんな企業でもトップが不祥事を起こした場合、その企業の社員は沈黙し耐えざるを得ません。また、社員が不祥事を起こした場合は、経営トップは世間に対し陳謝し、他の社員は沈黙し耐える必要があります。不祥事の規模や企業規模、社会的影響が大きければ大きいほどこのような循環になるはずです。

誤解が無いように再度、書きますが、「経営トップが不祥事を起こしても、特定の社員が不祥事を起こしても、企業としては社会に迷惑をかけたことは同じとしても、社員全員が悪いわけではない」と私は考え、残りの社員の方々の気持ちを思う心が必要ではないかと言いたいわけです。
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批判するだけでなく、自らの企業も見つめ直す

このような悪循環を避けるために(もちろんこれだけが理由ではありませんが)、昨今、様々な企業による不祥事を機に、企業倫理・企業統治・コーポレートガバナンスの重要性が認識され、そして今年5月に施行予定の大幅な会社法改正があるわけです。

換言すれば、
今回の一連の疑惑や騒動に対し、
ライブドアや堀江氏の行動を批判することに終始するのではなく、
業種に関わらず、どんな企業にも起こり得ることであると
再認識し、今、一度、自らの企業運営を見直すという
観点・行動が必要ではないか、

と私は考えます。

そして、ある程度、騒ぎが収束した段階で、今回の疑惑がなぜ起こったのかについて考え直すべきです。私は、堀江氏の錬金術やマーケットの抜け穴といったものではなく、「企業統治」がなされていたなかった、一部の幹部だけで意思決定され、社外等の外部からの監視が無かったことが今回の疑惑、あるいは様々な手法を可能にした根幹だと私は考えます。

私は、昨年、ふと図書館で目にとまった堀江氏の下記の著書を読みました。「仕事術」と書かれてあったので、少し興味を持ったわけです。私が読んだ堀江氏の書籍は今まで、この一冊のみです。

100億稼ぐ超メール術 1日5000通メールを処理する私のデジタル仕事術
100億稼ぐ超メール術 1日5000通メールを処理する私のデジタル仕事術
堀江 貴文

この著書では、すべての業務・決裁等をメールで処理していると書かれていたと記憶しています。意思決定の迅速化・共有という意味合いで。

もちろん、メールでの処理は意思決定を迅速化させるかもしれません。しかし、今、思うと本当にすべてをメールで処理していたのならば、このやり方が大きな過ちの一因なのかもしれません。必ず、紙ベースの契約書や議事録はあるはずなのですが、意思決定の過程はすべてメールだったかもしれません。

そして似たような意思決定の手法を用いている企業は他にも必ずいるはずです。しかし、確固たる「企業倫理」があり、そこに「企業統治」が重なっていれば、世間を揺るがすほどの不祥事は起こらないのではと私は考えています。
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お金の大切さ、重み

これから書くことは今回の一連の疑惑とまったく関係ありません。

小さいながら私の会社も、現在、もちろん詳細は書きませんが、あるファイナンス的な取組みを実施しています。錬金術でも何でもなく、法を遵守し、そして社内だけでなく、社外の様々な方々に必要な情報をお知らせし、そして確認を得た後に実行しています。最低限のメールでのやりとりはあるにせよ、できる限り実際にお会いし、実施しています。当たり前の話です。

こういった積み重ねの過程において、本当に「お金というものの大切さ、特に重み」というものを肌で感じとることができます。この気持ちは、実際にやられた経験のある方にはご理解いただけると思います。今回、ご紹介した堀江氏の書籍のタイトルの一部は「100億稼ぐ超メール術」となっています。「メールで100億稼ぐことができるならやってみよう」と思う方もおられるでしょう。実際に可能かもしれず否定はしません。

ただ、私は10万円も1億円も100億円も、いずれも金額に差はあれど、大切さ・重みは絶対に変わらないと考えます。いくら自分の能力で稼いだとしても、必ず何らかの相手・対象があります。そこにまず敬意を表し、常にありがたいと思う気持ち、そして何よりも常に相手が私の背中を見続けているという気持ちを持つこと、これが最も大切なことであり、そして「お金では買うことのできない大切なものの一つ」だと私は考えます。

一つ前のエントリで、「雪おろし詐欺は、絶対に許せない」と私は書きました。詐欺という行為は論外ですが、とにかく「お金を頂戴した相手がいる」ということを完全に忘れている、あるいはそんな気持ちは皆無である人間が増え続け存在しているということでしょう。だから、私は「絶対に許せない」と書いたわけです。

今一度、「お金とは何か」、一人一人が見なおす必要があるのではないでしょうか。

以上、勢いだけで書いた、かなり紆余曲折したエントリですが、ご容赦下さい。
2006.01.20 Friday | 経営的視点 | comments(10) | trackbacks(11)

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2017.09.10 Sunday | - | - | -

皆様のコメント

正論、とても共感します。
お金で買えないものをお金で買う、って思い当たりました。TBをよろしくお願いします。
なお | 2006/01/23 3:28 PM
なお様、はじめまして。
正論かどうかはともかくも、共感いただきありがとうございます。

お金で買うことのできないものはたくさんあると思います。そして人それぞれ買うことのできるものやできないものがある。だから人生というものは紆余曲折するのかなと今も盛んに報じられているニュースを見ながら感じています。
小島愛一郎 | 2006/01/23 5:25 PM
目からうろこでした
ライヴドアに対する批判報道は見てて厭になります。
bozio | 2006/01/24 12:56 PM
bozio様、はじめまして。
長文を読んでいただきありがとうございます。

私はライブドアの報道そのものというよりも、エントリにも書きましたが、今も懸命に働いておられる社員やそのご家族の気持ちを考えると何ともやるせない気がするわけです。

もし、自分の会社がこんな状況になれば、なおさらのことだと思っています。

ではまたお気軽にご訪問下さい。
小島愛一郎 | 2006/01/24 2:40 PM
記事、紹介させて頂きました。
それについてはTB送りますが、
その記事の下げで、別のネタ(某氏ネタ)で
小島さんの記事をリンクしています。
・・・あまり思い出したくない事かもしれません。
先に謝っておきます。ゴメンナサイ。
(シャレとして受け取って頂ければ・・・)
めたか | 2006/01/25 11:47 PM
ちょうど今、法に基づき、社外の方も関与した長い会議を終え、帰宅したところです。

記事を拝見し、ちょっとコメントさせていただくには、じっくり読み込まないとと思いながらも、最後の方を見ると何とも言えない落とし方に、疲れも吹っ飛ぶほどの楽しい気分になりましたよ。

ということで謝っていただかなくても構いません。
ただ、今回の記事はめたかさん記事には言及していないのでTBを返すことはしませんのでご容赦を。
小島愛一郎 | 2006/01/26 12:06 AM
お金の重さを感じる。

人によって稼げるお金は違えど, その背景にお金を払ってくれるお客さんがいる。

身に染みる言葉, ありがとうございます。

初心であり, 一番大切な心がけかもしれないですね。

seka | 2006/01/29 2:22 AM

>ライブドア本体やグループ企業社員の方々、これらの方々の中には、今回の一連の疑惑の渦中において、悔しさや悲しさをぐっとこらえながらも業務をこなし、何においても沈黙せざるを得ない被害者とも言えるべき方々が、少なからずとも存在するのではないか

とのお話の確かな、小さな証明がありましたので、ブログでご報告します。
TBさせていただきます。どうかよろしくお願いします。
なお | 2006/01/29 11:18 AM
なお様、貴ブログの記事、拝見しました。S.S氏のような方が実際に存在されることを知りました。ありがとうございます。

しかし、時間が経つと共に様々な事実が露呈してきています。現在、残った社員の方々はどう思われているのか、本当に想像がつかないと共に、これ以上、本件について外野である人間がとやかく言うことはやめようかなとも思っています。
小島愛一郎 | 2006/01/30 10:39 AM
seka様、はじめまして
(コメント返信の順番を間違えました、ご容赦下さい。)

少し論点がずれるかもしれませんが、我々の会社の株主様には、出資いただくと共に出資額以上のご発注までいただく方々が多数、おられます。

こういった経験をしていると本当にお金のありがたさ、重みを実際に経験・体感するわけです。

そういった意味合いも含め、今回のエントリを書きました。

では、またお気軽にご来訪下さいませ。

小島愛一郎 | 2006/01/30 10:43 AM
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皆様からのトラックバック
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放送業界がここぞとばかりに提携解消やね〜。 | 西洋香道ライブドア店営業日誌 | 2006/01/20 8:08 PM
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