ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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テングス病について:サクラの花見シーズンを前に(2)

・参考:
テングス病・てんぐ巣病・てんぐす病」記事群
・学術情報:
テングス病の調査報告
・テングス病・てんぐす病・テング巣病調査報告専門家:
京都大学教授を中心とした「NPO法人グリーン・エンバイロンメント理事メンバー
・特許情報:
テングス病、てんぐ巣病には、ワサビの抗菌作用を利用した安全な資材である「樹木の味方」(日本・アメリカ・ヨーロッパすべてに特許取得済み)をご利用ください。
・販売先:
テングス病だけでなく、各種切口保護や樹木保護剤として「樹木の味方」をこちらの「通販サイト」よりご購入ください。」
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さて、前回のテングス病について:サクラの花見シーズンを前に(1)では、環境的要素の観点からサクラが弱る原因をご紹介してきました。今回は、生物要素的ストレス、その中でも深刻な問題となっている「テングス病」に重点を置いてエントリしていきます。

関連エントリ
テングス病について:サクラの花見シーズンを前に(3)


(以下、写真はサン・アクト株式会社及びNPO法人グリーン・エンバイロンメントに帰属します。)

本論に入る前に、少し見にくいですが下の写真をじっくりとご覧下さい。ほぼ満開のサクラなのですが、なぜか緑色の葉がところどころに見えます。なぜでしょうか?



答えは続きのエントリをお読みいただければわかります。そして、今年の花見の時に、じっくりと観察してみれば皆様にも同じようなサクラを多数、発見されるかもしれません。

では、詳しいご説明をいたしましょう。
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生物要素的ストレスとテングス病

これは、「微生物による各種病害」・「昆虫や動物等の食害」などが挙げられます。ただ、昆虫や動物の食害は継続的(年中、続かない)なものは少ないため、微生物による持続的・継続的な病害が最も樹体にとって大きな影響を与えるのです。

この微生物によるサクラの病害の代表的なものが「テングス病」です。一般にはあまり知られていませんが既に深刻化、危機的な状況をもたらしている病害です。下の画像の赤く囲ってある部分をご覧下さい。落葉したサクラの枝に、少し異常な形状をした部分があります。多数の小枝がほうき状に出ています。
(ちなみにテングス病は、てんぐ巣病・天狗巣病などと呼称されています。)



これが、テングス病に感染しているサクラなのです。そして一度、感染すると自らのサクラだけでなく、近くのサクラも感染し、感染が進むにつれ、サクラは弱くなり、最悪の場合、枯れてしまうという極めてサクラにとって恐ろしいものです。そして、既に全国各地で多くのサクラやサクラ並木が、テングス病に感染し、危機的な状況に直面しています。

もし、お近くにサクラがある方は、一度、このような形状をした枝を持ったサクラが無いかご確認下さい。そして見つかった場合は、是非とも行政の方々などへ相談して下さい。いや、報告すべき問題なのです。

テングス病とは

では、テングス病について詳しく説明していきましょう。

この病害は「Taphrina wiesneri」という病原菌によるものですが、サクラの中でも圧倒的にソメイヨシノに発生しやすいことが判明しています。我々が行った調査では、テングス病に感染した個体69個の中で65個体(=94.2%)がソメイヨシノでした。また下の写真のように、一般の方が見れば、良い枝振りのように見える枝も、実は典型的なテングス病に感染した枝なのです。



(画像中央にある枝・葉、これがテングス病なのです。)

このようにテングス病は、小枝や大枝に感染し、感染した枝は最終的に枯れてしまいます。そして、付近のサクラも感染し、最終的には地域全体のサクラが感染(罹病といいます)し、全滅する可能性を秘めています。
(本来ならば、もう少し詳細を書くべきですがあまりにも専門的になりますのでこれ以上は書きません。)

そして、重要なことは、「老木のサクラがテングス病に感染しやすいわけではない」という点です。樹齢20年未満の若い個体でも多くがテングス病に感染しており、樹齢と感染は関連性が無いと言えるのです。人間でも、年齢に関係無く、あるいは体力に関係無く、一度、感染すれば誰でも大病に至ってしまう感染力の強い病気があります。テングス病は正にこれに該当するのです。

しかし、本当に重要な問題は、このテングス病のメカニズムがほとんど明らかにされていないということにあります。よって、現在では「感染拡大の防止」、「テングス病罹病枝の切除方法」など、「感染が見つかった後にどうすれば良いか」という後ろ向きの対策しか存在していません。

では、どうすればテングス病の感染拡大を防止できるのかについてご説明しましょう。

テングス病を防止するために

テングス病の病原菌は幹や枝の傷口や折れた個所から侵入します。人間でも傷口を放置しておけば、そこからばい菌が入り、化膿してしまうことは誰でも知っています。だから、人間は怪我をすれば、すぐに消毒し包帯を巻いたりするわけです。

人間は転んだりすると怪我をします。しかし樹木は転びません。ではどうすれば幹や枝に傷口ができてしまうのか。この原因は圧倒的に人為的要因、いわゆる人間の仕業なのです。

簡単に言えば、サクラの枝を剪定した後の枝の切口はテングス病の格好の侵入口となります。しかし、現在、剪定後はほとんど切口に侵入防止の処置を施していません。また、サクラ並木に作業用自動車が進入することもあります。この際、歩道に張り出した枝は自動車の屋根などに当たって折れてしまいます。しかし、誰も折れても治すことをしません。

よって、テングス病の感染防止策は非常に簡単なのです。

1)病原菌侵入口となる傷口をつくらない。
2)傷口をつくってしまえば、すぐに抗菌・防菌保護剤を塗布して病原菌侵入を防ぐ。

この二つしかないのです。

人間で言えば、怪我をしない。そして怪我をすればすぐに手当をするということ。人間なら誰でもがすることを、樹木には誰もできていないということなのです。

こんな簡単なこともできないのであれば、「樹木を植える」ことを止めれば良いのです。「植えたら最後まで面倒を見る」、これは樹木だけでなく動物や植物にも言えることではないでしょうか。私は緑を増やすことに反対はしません。ただ、「増やすと決めたら最後まで面倒を見る覚悟を持つ」。この点をしっかりと行政の方々や業界の方々にはご理解いただきたいと考えています。そして一般の方々にも。

さて、少し話が脱線しました。では次のエントリでに実際にテングス病の処置方法とそのポイントをご説明しましょう。

2006.03.19 Sunday | テングス病:てんぐす・テング巣病 | comments(2) | trackbacks(0)

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2017.09.10 Sunday | - | - | -

皆様のコメント

参考にさせてもらいました。
雲母 | 2007/04/06 7:20 PM
雲母様、「参考になりました」という最も嬉しいコメント、御礼申し上げます。

また、お気軽にご来訪くださいませ。
小島愛一郎 | 2007/04/07 4:39 PM
お気軽にコメント下さい:動画・画像といった関連語句をコメント文章に入れないで下さい。コメント拒否設定となります。









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