ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか:「馬鹿」にならないためのまとめ

 「なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか?」という書評シリーズ最後のまとめです。最初のエントリでご紹介した自分の状態を知るためのチェックリストを再度、記載します。

1)「特別扱い」されると嬉しい
2)話すときに「演説グセ」がついている
3)まわりの人との「ダメさ」が気になる
4)「耳に痛い意見」を言ってもらえなくなった
5)最近「ゆっくりとした時間」がない

 この書籍を読み終えると、上記のチェックリストの意味が理解できます。是非とも、ご一読下さい。では、「馬鹿にならないためのまとめ」を続けることとします。

自分の評価は他人との比較で始まる

 著者は、無人島で一人で暮らしているなら、自分の性格や能力など評価できないと言います。当然のことでしょう。自分の性格や能力は身近な人と比較しがちです。身近でなくとも他者が存在しなければ、比較ができません。他者との比較によって始まる結果が自己評価。心理学用語で「社会的比較過程理論」と名付けられているとのことです。

 著者は、この「社会的比較過程」もエラクなると馬鹿になる一つの要因だと言います。
 「自分は頭が良い」と自己評価したとします。自己評価した瞬間に周囲にいるかはともかく、「自分より頭が悪い人間」が自動的にできてしまいます。もし「自分はエライ人間だ」と考えた瞬間、「自分より下っ端にいる人間」・「自分より駄目な人間」がこれも自動的に存在してしまいます。
 常に「自分は頭が良い」・「自分はエライ」と思っている場合、周囲の人間はすべて「自分より頭が悪く、駄目な人間ばかり」に見えてしまい、その思いが言動に現れます。この「自分はエライ=他人は駄目」というスパイラルに深く入り込むと、他人の駄目な部分ばかりを見てしまい、「世間には駄目な人だらけ、だから自分は本当にエライのだ」という状態に陥ってしまいます。

 客観的に見れば、「立場はエライ人だけど、そこまで馬鹿にしなくても良いだろう」と思う人が当然出てくるでしょう。ただ本人は気付いていないわけです。

タイプAの危うさ

 著者は、米国の心臓病学者であるフリードマンとローゼンマンが「心臓病に関係が深い性格特性」として「タイプA」を提唱していることを事例として紹介しています。

 タイプAについて「ストレスを強く感じる性格 タイプA行動パターン -healthクリック」より引用します。
A型行動パターン (FriedmanとRosenman)
性格面
強い目標達成衝動
競争心おう盛
野心的
時間に追われている感じをもつ
性急でいらつきやすい
過敏で警戒的

行動面
爆発的で早口のしゃべり方
多動である
食事のスピードが速い
一度に多くのことをやろうとする
いら立ちを態度に表す
挑戦的な言動
特徴的なしぐさや神経質な癖

 私なりに「タイプA」の人間像をまとめると、「野心にあふれ、競争心が強く、常に何かを探し求め、他人に対しても、その気持ちを隠すことなく、懸命に目的を達成しようと休み無く行動している人」といった感じです。

 著者は、例えば、「タイプA」の社長の場合、「常に向上心があふれ、競争力があり、短期で目標を達成する会社」になる可能性があるというメリットを挙げています。
 逆に、「タイプA」の社長の場合、「短期的な数字や目標達成に終始し、社員はライバル同士という関係、拙速な拡大路線によって、少しの失敗でもダメージはかなり大きい会社」になる可能性があるというデメリットも挙げています。

 上述した私なりの「タイプA」の人間像を裏返してみると「いつも何か短期的な目標達成を探し求め、周囲のことよりも自分が中心、そして休みの日も常に動いていなければ落ち着かない人」と言えるかもしれません。

 「タイプA」の人が組織の中の一人に過ぎない段階ではなく、それなりの立場になった段階で、その人の心の持ち方、言動一つで、組織が大きく成功するか、大きな破滅となるか、まさに表裏一体で、かつ「自分は偉い=他人は駄目」と考え始めると、組織はすぐに崩壊への道へ進むということなのでしょう。

常に自分へ問いかける

 著者は少しでも地位の変化によって自分を見失わないために、常に下記のような点について自分自身を「点検」することを挙げています。以下、引用です。
「このような姿を他人が見たら、その人は私のことをどう思うだろうか?」
「これが、”なりたかった自分”なのだろうか?」
「若く地位が低かったころ、自分はどんな夢や目標、希望や志をもっていたか?」
「その若いころの自分が今の自分を見たら、どう思うだろうか?」
「死ぬ瞬間の自分は、今の自分にどんなアドバイスをするだろうか?」
「イライラ・せかせかしている様子を人に見せているということはないだろうか?」
「自分が人生でいちばん大切にしているものは何だろうか?」
「そもそも私はどんな人間になりたかったのだろうか? そして、これから、どのような人間になりたいのだろうか?」

 もう、これだけで十分と言える程の点検リストだと私は考えます。私自身も、この書籍を読む前に、無意識にリストの何項目かを自問自答していましたが、改めて、これだけのリストで再度、自分自身を点検することの大切さを痛感しました。

 特に、「そもそも私はどんな人間になりたかったのだろうか? そして、これから、どのような人間になりたいのだろうか?」という問いは、多くの人が共通して持つ悩みだと私は考えます。この問いにすんなりと自答でき、他人もそう思っているだけで、人間として十分に素晴らしい生き方をしているのではと私は考えます。

最後に

 今まで書いてきた以外にも、この書籍は多くの示唆を提示しています。もう一度、冒頭で紹介したリストを再掲します。

1)「特別扱い」されると嬉しい
2)話すときに「演説グセ」がついている
3)まわりの人との「ダメさ」が気になる
4)「耳に痛い意見」を言ってもらえなくなった
5)最近「ゆっくりとした時間」がない

1)と2)については既に、「なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか:誰もが馬鹿になる可能性を持つ」・「なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか:威張っているだけと言われないために」で詳しく紹介しました。

 また、まわりの人の「ダメさ」が気になる時、まさに自己評価の悪いスパイラルに陥る寸前を意味しているのでしょう。そして、「耳に痛い意見」を言ってもらえない立場になってしまった場合、自己点検リストで常に自問自答すべきでしょう。もちろん「耳に痛い意見を言ってもらっていない」と自覚していればの話ですが。

 最後の、「ゆっくりとした時間」がない、ということ。

 これは裏返せば、「ゆっくりとした時間を積極的に持つ」ことを意味します。「タイプA」の人にとっては難しいことです。ただ、組織のトップで、「常に特別扱いされ、人の話を聞かず、自分ばかり話をする、そして誰も厳しい言葉を言ってくれない」といういわゆる「ほぼ馬鹿になったエライ人」こそ、ゆっくりとした時間を持たなければ、組織は崩壊するでしょう。自己点検する時間もありません。
 著者は「ゆったりとした時間を持つこと」の一つの手段として、「仕事以外の喜びを見つけること」を挙げています。趣味でも家族でも、自然にゆったりと目を向けることでも何らかの喜びは得られると著者は言います。

 最後に、著者の言葉を引用し終わります。
心穏やかで、ゆったりとした、落ち着いた気持ちで世界に目を向けてみる。そうすれば、「地位」や「成功」になど関係の無い幸せが、人生や世界中のそこここにちりばめられていることに気づくだろう。すると、地位による魔力になどには惑わされない自分を見つけることができる。いくらエラくなろうと、もはや、堕落が入り込む余地などそこには存在しないのである。

 今、「エライ人」は多数、世の中に存在します。「馬鹿」であるかはともかくも、今回、ご紹介した、自己点検リストを、私を含め、多くの方々に試していただくことだけで、世の中の流れが少しは、変わるような気がします。

参考

なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか?
なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか?
伊東 明

なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか?
なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか:誰もが馬鹿になる可能性を持つ
なぜ「エライ人」は馬鹿になるのか:威張っているだけと言われないために

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2007.07.06 Friday | 書籍紹介 | comments(0) | trackbacks(0)

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