ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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2017.10.25 Wednesday | - | - | -
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植物は音楽が好きだと私も思う



 「WIRED VISION / ワインはビバルディがお好き? 音楽の植物への影響」という記事を見つけた。少し私の専門分野に該当するため、思うことを書いてみたい。

 結論から言えば、私も「植物は音楽が好きだ」と考えたいと思っている。曖昧な表現なのは、この点に対する明確な根拠が残念ながら私には無く、他にも研究発表もあるが、まだ信頼していないという点から。ただ、今までの緑化に関する調査を通じた経験で、「そうではないだろうか」と思うべきだと考えている。同時に、今回、紹介する「WIRED VISION / ワインはビバルディがお好き? 音楽の植物への影響」がさらに私にこの思いを強くさせたと言える。

樹木の生育状態を客観的指標で示す難しさ

 まずは、音楽とは関係のない話から始める。

 何とか樹木の生育状態を客観的な指標で示すことができないかと、京都のある有名なサクラ並木をフィールドとして、数年前に2年間かけて、産学連携で、調査を実施した。
 簡単に言えば、人間ならば血液検査で完全とはいえないまでも、ある程度の健康状態を把握できる。しかし、樹木の場合、土壌(人間なら食生活)、周辺環境(人間なら住環境)などが、人間以上に多様であり、一つの客観的な指標を構築することは極めて困難だった。

 人間でも、元気にされていた方が、突然、大病を患い、死に至る場合がある。樹木も同じで、満開の花を咲かせたサクラが、5月頃に突然、倒木することがある。支持根という樹木を支える根が菌によって腐朽し、支える力が無くなり、倒れてしまうのである。もちろん、人間同様、前兆は慎重に見ていれば外観からも判別できるのだが、何といっても言葉を発しない、移動することができない樹木にとっては、手遅れの場合が多い。
 また、サクラは陽樹といって日光を好む。サクラのすぐ横にサクラより将来、樹高が高くなる樹木があれば、順調に生育していたサクラも、横の樹木が大きくなるにつれ、日があたらなくなり、徐々に衰退していく。これを「被圧」と呼び、森深くにあるヤマザクラなどはスギが後から植林されることによって、枯れる事例がある。

 このように、元気に見えている樹木も、あらゆる角度で生育状態を観察せざるを得ず、先に述べた「血液検査」のような一つの指標で、ある程度、状態を把握できる指標を見つけることは困難であるというのが2年間の調査の結論だった。

植物は音楽にどんな影響を与えるのか

 「WIRED VISION / ワインはビバルディがお好き? 音楽の植物への影響」では、ブドウ園に音楽を流し、生育状態を調べているイタリアの研究チームについて紹介している。
 下記一部引用部分が、ブドウに対するアプローチだ。
研究チームは2006年に、木桶に植わったブドウの若木と、ワイナリーの孤立した場所にある小さなブドウ園の成木、それぞれの前にスピーカーを設置した。音の肥料を与えられたこれらの木は、5月からブドウの木が休眠に入る12月まで、週に1度、若枝とつるの部分を検査された。

検査では、コニカミノルタ製の携帯用葉緑素計測器「SPAD-502」を使って、葉緑素と硝酸塩の含有量を調べたほか、赤外線ガス分析計の「CIRAS-1」で光合成と蒸散の速度を測定するなどした。

研究チームのリーダーを務めるフィレンツェ大学農学のStefano Mancuso教授は、次のように話す。「ブドウ園では、音を流すことでブドウの木の生育、特に若枝の生育に良い影響が見られた。結果はまだ最終的なものではないが、ブドウの木1本あたりの総葉面積は、ブドウ園のものも鉢植えのものも、音を聞かせた木の方がつねに大きかった。また、比較対照として音を聞かせなかった鉢植えのブドウのつるには、生育の遅れが見られた」

 このように、SPAD値や蒸散など生理学的要素や葉量の比較などで、途中経過として、「音を聞かせたブドウの方が良かった」としている。引用した内容だけでは、何本のブドウに対して試験を実施したのかが不明であり、かつ「どの程度、生育が良かったのか」も分からない。また総葉面積は計測手法や時期によって結果に大きな差が出ることもある。

 しかし、詳しいことを書くのはやめておこう。記事によると(以下、一部引用)、以前からブドウ園には音楽が流されていたようだ。
ブドウの害虫被害を防ぐのに、環境に配慮した方法を望んでいたCignozzi氏は2001年、この土地に音響装置を導入した。音楽を愛し、ブドウの摘み取り作業者たちにアコーディオンでセレナーデを演奏したこともあるCignozzi氏は、優しい音色を聞かせるとブドウの成熟が早まるらしいことに気付いたのだ。当初のプレイリストはモーツァルト、ハイドン、ビバルディ、マーラーが中心で、1日24時間音楽を流し続けた。

音楽は、木造の小屋に置いた20GBモデルの『iPod』から発し、樹上や地面の鉄製シェルターに設置した大型スピーカー15基を通じて、陽光降りそそぐブドウ園一帯に広がる仕組みになっている。

現在の実験が始まる前、Cignozzi氏は「もっぱら人間の耳を楽しませるために」、すなわち試験的なサウンドトラックを毎日聞いて暮らす妻のDianaさんと娘のGeaさんのために、ブルースやカントリーや自然音をプレイリストに加えたことがあった。

 このように、音楽を愛するオーナーがブドウ園で働く人間のために、まずは音楽を流したということ。そして、毎日、ブドウを育てている過程で、感覚的に「ブドウの成熟が音楽によって高まる」と気付いたわけだ。

科学的なアプローチと感覚的なアプローチ、どちらも重要

 ブドウだけでなく、お茶や鶏や豚といった動植物を育てている方も音楽を流し、生育を促しているという話を聞いたことがある。毎日、見守り続けていることで音楽を流すと良い影響があると判断されているのであろう。もちろん、そこには科学的なアプローチはない。「音楽が生命を元気付けている」と確信に近いものがそこには存在しているのだろう。

 我々は、冒頭で述べたように最初から科学的な、客観的な手法をあらゆる角度から試み、結局、樹木の育成状況についての合理的な指標を構築できなかった。その過程に感覚的なアプローチは皆無だった。
 だから駄目だったのかもしれない。今回のブドウ畑のイタリアの研究チームの手法についても、いろいろと言いたいことはある。例えば、サクラの葉すべての面積を計測することは非常に困難だ。公共の並木のサクラの葉を一枚一枚、落として面積を測ることはできない。結局、最も葉量の多い時期に根元から全体写真を撮り、データとしてスキャンし、葉だけをデジタル化して残し、その面積を測るしか方法は無い。このように生理学、物理学など多様な角度で我々は、約200本のサクラを2年間かけて、観察したが、結果を出せなかった。

 結局、毎日、200本のサクラを子細に見続け、「感覚で微妙な変化を見い出すことから出発し、そこから何が原因かを探る」ことをしていなかったことが原因の一つだろう。

 イタリアの研究チームには、既に感覚的なアプローチらしきものが存在している。以下に引用し、このエントリを終わりとしたい。
「まだ自分たちの理論を証明して祝杯をあげるには至っていないが、このプロジェクトの素晴らしいところは、それ以前においしいワインにありつく機会があることだ」とMancuso教授は語った。

 こういった心の余裕が、良い研究成果に繋がるのだろう。研究・調査の前にサクラを楽しむという感覚が我々の2年間のサクラ200本の研究では無かった。

 だから、科学的な考えも必要だが、それよりも先に「植物は音楽が好きだ」と感覚的に確信することからスタートすべきだと今、私は考えている。

参考:
今回、調査が実施されたブドウ園「Al Paradiso di Frassina
きれいなところです。

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2007.07.18 Wednesday | 環境問題への思い | comments(0) | trackbacks(0)

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