ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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子供たちには見えない有刺鉄線が欲しい



 この二週間に私の自宅周辺で3つの事件が連続して起きている。

 一つ目は、過去のエントリで冒頭に書いた「郵便局の局長を狙った強盗未遂」で犯人は刃物を持っていたが逃走した。二つ目は、白昼の商店街での傷害事件。そして、最後は地元のスーパーでの強盗。閉店後の22時頃に包丁を突きつけ、副店長を脅し500万円を奪って犯人は逃走した。いずれの犯人もまだ捕まっていない。

 最初の郵便局の事件は、朝の通勤時間に起きたもので、郵便局の前を車で通った私は間接的に事件を見ていた。その日から週末まで子供たちは集団下校となった。

 そして、郵便局の事件発生後の次の週初め。

 15時頃の打ち合わせのため、会社付近の駐車場へ向かうと、なぜかバイクに乗った警官2人が周囲を窺いながら走っていた。何かあったのかと思いながらも、私は車に乗り、打ち合わせ場所へ向かった。しかし、途中で駅裏にもバイクに乗った警官が周囲を見渡していた。
 私は車から降り「何があったんですか」と警官に聞いた。彼は、駅前の商店街の路上で昼過ぎに事件があったと短く答えた。胸騒ぎを覚えながらも私は、打ち合わせ先へ車を走らせた。

 会社付近での打ち合わせは問題なく終わった。終わったのが17時前。すぐに私は自宅へ向かった。本来なら帰社すべきだったが、私は自宅へ向かった。自宅には、次男と三男が帰っていた。17時までには遊びから帰ることと我が家では決められているからだ。
 「お兄ちゃんは?」と彼らに聞いた。「公園に行った」と子供たちは答えた。携帯電話が示す時刻は16時58分だった。私は、自宅にいる子供たちに絶対に家を出るなとだけ言うと、車で3分程の子供たちがいつも遊んでいる公園へ向かった。

 公園に長男はいなかった。しかし、長男の友達たち数名がまだ遊んでいた。彼らは私が長男の父親であることを知っている。何度も彼らと一緒に遊んだ顔馴染みだ。彼らに聞くと長男は直前に帰宅したと言った。私は残った彼らに「郵便局みたいな事件が昼頃に、また近くで起きた」と伝えた。
 彼らも小学校で郵便局の事件を聞かされていたのだろう。驚いた様子と共に「またか、怖いなぁ、早く帰ろう、すぐに帰ろう」という言葉と共に、彼らは自転車に乗って自宅へ戻った。私も「みんなで一緒になって帰れよ」と彼らの後姿へ言葉を残し、車に乗り込んだ。
 車の中から、携帯で自宅へ電話した。長男が電話に出た。無事、帰っているという事実だけ確認すると、すぐに電話を切り、会社へ戻った。そして、それから数日、何事も起こらなかった。普通なら当たり前のことだ。

 しかし、3日前の夜。

 スーパーでの強盗事件が発生した。このスーパーは、中規模のチェーン店で並列してホームセンターもある。週末にこのホームセンターで買い物をしたばかりだった。スーパー自体も夜9時45分閉店と遅くまでやっているため、仕事の途中で夜食を買いに行くことも何度もある。
 強盗事件が発生したことを知ったのは翌朝の新聞だった。妻と二人でその晩、新聞を見ながら、最近の連続した事件について少し話をした。一連の事件は、金が目当ての事件であり、子供が目的ではないことに我々は僅かに安心すると共に、郵便局長を襲い未遂で終わった犯人が、最後にスーパーで強盗に成功したのではないか、などと話をした。いずれにせよ、3つの事件はすべて半径1キロ以内で起こっていることだけは事実だ。

 多くの場合、私は22時過ぎ頃に会社を出る。遅い時は23時前になる。しかし、事件が連続し、まだ犯人が一人も捕まっていないにも関わらず、深夜の帰宅途上で検問や警官の姿を見たことが無い。本当に警察は捜査をしているのだろうかと思いながら、最近は帰宅している。
 もちろん、警察を信頼できるとしても、完全に子供たちの安全を委ねることは無理な話だ。保護者や地域、学校、そして子供たちの安全への自覚それぞれが一体となることも必要だ。

 ただ、今まで経験したことのない連続した事件の発生に、私は「悪者にだけ見える有刺鉄線」があればと願っている。途方も無い話かもしれないが、子供たちには見えず、悪者にだけ見える有刺鉄線が存在すれば、少しは安心できるのではないだろうか。
 目の前に、手の届くところに子供がいても、悪者が一歩踏み込もうにも有刺鉄線があって踏み込めない。しかし、無邪気な子供たちには存在しない有刺鉄線。そんな境界線があれば、子供を巻き込んだ今までの多数の悲しい事件がいくらかは減っていたかもしれない。

 荒唐無稽な話である。ただ、善と悪を明確に区分する境界線は目に見える、見えないは別として何らかの形で必要では無いだろうか。逆に善と悪が、かなり曖昧な時代になった今こそ、明確な境界線、有刺鉄線が必要だ。

 子供たちのためだけではない。善悪の区別を見失いがちな我々大人のためにも必要だと私は思う。

【関連エントリー】
- 学習塾で起きた悲しい事件について思うこと
- 小二女児プール死亡事故に思う
- 寝屋川市殺傷事件で思うこと
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2007.11.15 Thursday | 社会への思い | comments(4) | trackbacks(0)

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2017.06.11 Sunday | - | - | -

皆様のコメント

♪こんばんは。
身近で不審な事件が続いて、ご家族を心配されている小島さんのお気持ちがよく理解できます。
>本来なら帰社すべきだったが、私は自宅へ向かった。
ややもすれば、勤務中なのにけしからんと言った批判の声が聞こえてきそうですが、トップ自らがそうした行動を取ることにより、社員も安心して同じ行動ができるのだと思います。
家族を思う気持ちに経営者や労働者と言った区別はありません。
誰もが躊躇することなく小島さんと同じような行動をとれるような社会であることを期待してやみません。
あざらしサラダ | 2007/11/15 11:17 PM
 あざらしサラダ様、いつもありがとうございます。極めて身近に連続で事件が起きると、誰もが自分の子供たちが心配になります。過去のエントリのように、ちょっとした数分のキャッチボールとは次元が似ているようで親としての重みはやはり違います。

 特に私の場合、5人もいますので、誰がどこに行っているかもわからない時があります。(これはこれで良い結果も生んでいるのですが)

 さて、あざらしサラダ様のご指摘通り、そしてまだ日本では成熟していない点が、家族を思う気持ちは企業規模や社会的立場に関係なく平等であるべきということです。これは公私混同とは違う、親としての家族に対する当然の気持ちでしょう。

 社長やトップによる公私混同は大半が自己の満足を得ること。今回の私の行動は一人の人間として、一人の親としてできる限りのこと、やるべきことをしたわけで、そこには自己満足は皆無です。

 ちなみに、4人目の子供の時だったと思いますが、子供が生まれそうなXデーに向けて社員全員、常に誰かが待機してくれていました。

 私は残った子供を見守るため自宅へ直行、社員(基本的には私の弟)が妻を病院へ、その間の業務は私の分も含めすべて他の社員が役割分担といった感じでした。小さい企業だからできたとも言えますが。

 一生、忘れることはありません。妻から「まもなく生まれる」という会社への一報の後、私は「来た!」と叫び、誰が指示することも無く、すぐに自らが与えられたと思っていることを瞬時に動いた社員みんなの夜を今も思い出します。

 そんな企業風土、社会であって欲しいですね。結局、企業や組織は何を最重要と考えるかということでしょう。属する人間の人生か、属する部門の業績か、そこが両極端の組織体もあるようですね。少なくとも私の会社では、私が社長だからではなく、社員も同じ状態になれば、会社全体でフォローしていきます。

 いずれにせよ、悪者には見えて、無邪気な人には見えない有刺鉄線は、一企業にも、一個人にも存在するようですね。

 あとは自分自身か、あるいは組織そのものが既定の線を引いてしまっているかどうか、そして社会において、自分も組織も無邪気な人には見えない有刺鉄線が多数、存在するよう努力していくことですね。
小島愛一郎 | 2007/11/16 12:14 AM
こんばんは。
今日(昨日?)は本当にありがとうございました。
無事にお帰りになられたでしょうか。

4人目のお子様が生まれる時の会社のみなさんのお気持ちと行動、すばらしいですね。
でも、このような企業風土を作られるのに、血の滲む思いをされているんだなぁとひしひし感じます。

ちょっと今日は(いつもですが)バカ丸出しで申し訳ありませんでした。
図々しいですが、今後ともよろしくお願い致します。

ご体調早く良くなりますように。
にしきおり | 2007/11/20 1:04 AM
 にしきおり様、わざわざの初コメント心より御礼申し上げます。

 無事、京都に到着し、今、1時30分頃ですが、数件のメール送信したところです。
(にしきおり様の大切なパートナーの方にも御礼メールいたしました)

 ちなみに、5人の子供たちの出産立会いはほぼすべて私の弟がやってくれており、病院の方は弟に向かって「お父さん、出産おめでとうございます」と言われ続けておりました。弟いわく、何とも複雑な心境を毎回、楽しんでいるとのことです。

 体調もお蔭様でほぼ何ともありません。

 これからもせっかくの縁がここまで拡大し、今日は一つの現実としてお世話になることができました。嬉しい限りです。

 今後とも、こちらこそよろしくお願いいたします。

P.S.
 アマゾンでのご購入は是非とも私のサイト経由でお願い申し上げます。消費税相当額程度のお小遣いが私に入りますので。

 では、皆様にもよろしくお伝え下さい。スタッフの方にも私のサイト、一度はご覧いただきますようお伝え下さい。長文ですが、暇つぶしには最適かもしれません。
(サイドバーの各種ランキングをクリックを日課にしてもらうと、私はさらに喜びます)
小島愛一郎 | 2007/11/20 1:41 AM
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