ベンチャー企業社長の挑戦、そして苦闘

 サン・アクト株式会社は京都で、環境や緑化だけでなく、
深く多様な衣食住空間をできる限り発信することを目指す企業です。
 ベンチャー企業社長である、私自身が語る挑戦と苦闘の日々。
また、妻と5人の子供達の歩み、そして様々な方へ、私なりの思いをこのブログで発信続けていきます。
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大人の事情、庶民の感情、それが子供心に伝播する

いぶき亭 四季の食卓 大臣のこだわり手料理
いぶき亭 四季の食卓 大臣のこだわり手料理
伊吹 文明
(この書籍を読むと健全な子供が育まれると著者は演説で話されていました。)

 週末の土曜日は、「京都幼児音楽フェスティバル」(以下、フェスティバル)というイベントが「京都会館」(京都における日本武道館のような場所)で開催され、我が家の四男坊が出演することとなった。
 このフェスティバルは、京都市内の多数の保育園児が参加し、合唱や合奏を披露するもので、週末2日間すべてを使い「京都会館」を借り切る程の大きなイベント。私の子供たちが通っている保育園でも毎年、年長組(いわゆる卒業組)が参加する。よって、既に卒園した長男・次男・三男も参加し、家族全員で何度も経験しているため、ある程度、雰囲気も予想できる。
 巨大なイベントのため、観客も多く、4つから5つの保育園が合唱や合奏をするたびに、観客が入れ替わる。入れ替わる前後はドアが閉められ、入ることができない。入れ替えは1日に3回。2日間で計6回となる。この6回すべてにおいて違う保育園児が参加するという具合だ。

 当日、保育園の指示で現地集合が12時。11時半に自宅から車で家族全員出発。無事、12時前に会場に到着し、私は近くの市営駐車場へ車を入れた。入れ替えのドアが開く13時まで四男坊以外は全員待機。約50分ほど会場に入ることができず、待たされたわけだ。
 そして、13時少し前、ようやく会場入り。プログラムを見てみると、実際に始まるのは13時20分。20分間、また待たされたこととなる。

 20分後、開演のブザーと共に、幕が上がる。通常なら、ちょっとした開会の挨拶の後、合唱や演奏が始まるはずだ。過去もそうだった。ちなみに四男坊は2番目に出演するとプログラムに書いてある。

 しかし、幕が上がったその舞台には、大勢の来賓各位が勢揃いしていた。そして、そこから悪夢が始まった。

 先に述べたように、2日間で計6回の入れ替えがある。参加園児も違うため、毎回、形だけの開会の挨拶やちょっとした来賓の紹介などはあるはずだ。しかし、我々の場合、来賓のお一人に特別な方がおられた。恐らく、多忙な中、ちょうどスケジュールがうまく合致したのだろう。換言すれば、極めて多忙な特別な来賓の方が、計6回それぞれに挨拶されるはずもなく、ありがたいかどうかはともかく、そのスケジュールに四男坊の来賓挨拶が偶然にも該当したということだ。

 極めて多忙な特別な来賓の方、それは与党の幹事長様だった。

 地元京都選出でもあり、まずは幹事長様の挨拶が始まる。来賓の中では一番、立場が上であるので当然のことだろう。

 さすがにペーパー無しで、短くまとめた演説はうまかった。「幹事長という立場で来たのでなく保育連盟の会長として来た」と冒頭で軽く流し、その後、自らが発刊した著書の宣伝もあった。幹事長いわく、最近の自著を読めば、健全な育児ができるそうである。
 そして、最後に、演壇の最前列右端に座っている方を指差し、「是非とも次の京都市長には彼を・・・」で演説は終了。自らの著書の宣伝だけでなく、次期市長候補の宣伝さえも無難に短く入れ込んだ演説。しかし、聴衆は自分の子供たちの演奏を聴きに来た人々であり、政治的な演説を聞くために集まったわけではない。子供たちが、がんばる姿を見たい、応援したいために集まったわけであり、それ以外に目的は皆無だ。

 冒頭の幹事長様の演説を聞き、嫌な予感が走った。そして幸か不幸か予感は的中した。

 私の隣に座っていた次男坊に「今の人は、凄く偉い人」としゃべりかけるが、「うん」と軽く受け流した。次男坊は弟である四男坊の演奏をひたすら待っているだけだ。それでなくとも12時に会場に到着し、外で50分近く待たされているだけでなく、会場で20分近く、彼にとって興味も無ければ意味もわからない話を聞かされてる状態であれば当然の結果だろう。

 次の来賓は「京都副市長」。ペーパーを読みながら、延々と京都市の育児や子育てに関する行政の取り組みを述べられた。周辺の聴衆の私語が徐々に増えていく。
 次の来賓は京都副知事。こちらも副市長同様、京都府の子育て支援策などを延々と。ここで、三男坊が眠りかけていく。
 どうして、こうも行政のお役人各位はペーパー無しで演説することができないのか。そして聴衆の反応に機敏に対応し内容を変える、省略することができないのか、疑問に思う以上の違和感・不安を感じる。

 副知事の演説後、「あの人が京都で2番目に偉い人」と次男坊にしゃべりかけるがほぼ無視された私。次男坊にとって副知事による行政の子育て支援策の説明などあまりにも関係の無い話であり、彼の心にはまったく伝わっていないのだろう。当たり前の話である。

 いよいよこれで終了かと思った瞬間、またしても来賓の挨拶が。
 何と次期市長候補者の登場である。そして、完全に候補者の立場で、「是非とも勝たせて下さい!」と絶叫口調で延々と演説が続く。まさしく、幹事長様の威力がなければ、来賓になることも挨拶すらできなかったであろう立場なのだが。

 やっとのことで、市長候補者の演説が終わった瞬間に、長男が一言。

「選挙の演説、やり過ぎ!」

 まだ小学生の長男であるが、彼にも理解できるほどの選挙一辺倒の演説だった。彼の一言で私のこのエントリの信憑性も事実に近いことをご理解いただけるだろう。いずれにせよ、聴衆の全員が、いや大多数がこの候補者の方に票を入れるかどうか迷ったに違いない。まさに「空気を読め!」である。

 こうして、13時20分から始まった来賓の挨拶は約50分を要してやっと終了。幹事長様のスケジュールさえ、四男坊の出演の回に該当しなければ、例年通り、15分程度で終了していただろう。再度、述べよう。来賓挨拶が50分間続いたのである。

 そして、ついに来賓挨拶が終了し、幕が下りた。観客全員、やっとほっとした気分だっただろう。

 しかし、まだ終わりは訪れなかった。次は「協賛企業」の紹介である。100社以上の協賛企業すべての名前を読み上げる司会者。観衆の心は離れていく一方である。

 観客の苛立ちがピークに達していくのを肌で感じる私。

 こうして、会場入りして約1時間後、やっとプログラムが開始。1番目の保育園の合奏を聴き、その後、待ちに待った15分程度の2番目の四男坊の合唱と合奏を無事に聞いた私は、15時過ぎに妻と娘を残し、他の子供たちと市営駐車場へ。15時20分に解散とのことで、少し時間があるため、駐車場代節約ということだ。いずれにせよ、12時到着で約3時間後に四男坊の合唱と演奏を聞くに至ったとは何とも表現し難いものがある。
 そして、会場前に駐車し、妻と娘そして四男坊を待つ私と他の子供たち。十数分待てば、全員と合流できると想定した私。
 しかし、解散時間が来ても姿が見えない。そうこうするうちに妻からメールが。

「まだ、最後の保育園の演奏が終わっていないので、解散時間が遅れます」と。

 結局、通常なら15分程度で終えていただろう来賓の挨拶が50分間もあったため、プログラム全体が大幅に遅れたということだ。
 会場前には、同様に解散を待つ保護者の車が数十台。これを見た警察が出動。何といっても会場の目の前に交番がある。私も久しぶりに、警察官に怒られた。そして父親が警察官に怒られる姿を子供たちは見るという彼らにとっては貴重な経験を披露することができた。嬉しくも無い話だが。

 そして、16時頃にやっと全員が合流し、その後、無事帰宅。

 来賓各位の「大人の事情」に振り回され、観客である「庶民の感情」は苛立ちだけであり、そして「大人の事情」をそれなりに理解し、観客の苛立ちを感じた子供たちへもその感情は伝播した一日だった。

 ただ、最も知りたいことは、来賓挨拶中に、舞台横で1時間程度、微動だに直立し続けていた幹事長様のSPのお気持だ。

 「背中が痒くなった時、あの人はどうするのかなぁ」という妻の言葉が今も耳から離れない。恐らく勤務中にSPの方々は背中が痒くなることはないのだろう。そうでなければ、あいのうな直立不動の姿勢を保つことは不可能だ。
 この件について、もちろんSPの方に聞く機会は無い。またSPが付くような立場にもなりたくないし、私にSPが、付くこともないだろうが。

 しかし、恐らくSPの方々も当日、演説を聞き、聴衆の反応を見て、来賓各位のスピーチを聞いて、「空気を読め!」と感じておられただろう。もちろん態度にも行動にも、そして表情にもまったく感じ取れるようなことは皆無に等しいとは思うが、人間とはそういうものである。SPの方々はロボットではない。それなりのまともな感情をお持ちのはずだ。

 SPの皆様各位のご心労を考えると、きりがない気もする。少なくとも私の子供たちの将来の仕事にならないよう今は、祈るだけだ。

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2008.02.04 Monday | 社会への思い | comments(0) | trackbacks(0)

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